トーホーベーカリー(東京都三鷹市)

店内
「トーホーベーカリー」のモットーは、"焼きたて、揚げたて、作りたて"。店内には食パン、フランスパン、デニッシュ、菓子パン、惣菜パンなど約100種類もの商品が並び、常に出来たてのおいしそうな香りが漂っている。クリスマス、正月、イースターなどイベントの時期には季節限定の商品も登場する。

常に出来たて、驚きのある商品を!
おいしさと素材にこだわり、進化し続ける人気の老舗ベーカリー

東京・三鷹市の「トーホーベーカリー」は、2017年12月で創業66周年を迎えた老舗。「子どもの頃から、ここのパンが大好きだった」という人も多く、親子三代にわたる常連もいるなど長い間愛され続けている地元の名店です。ここ数年のパンブームで、メディアで"おいしいパン屋さん"として紹介されることも増え、人気はさらに上昇。遠方からわざわざ足を運ぶファンもおり、店内は常に賑わっています。

社長の松井成和さんは、ご自身も実家のパンを食べて育った三代目。全国各地の人気ベーカリーを食べ歩き、お客様に愛される味を研究したり新商品のヒントを集めたりと、おいしいパンの探求には余念がありません。

原料の小麦粉はもちろん、それと合わせる素材も厳選し「これ!」と思うものしか使わないのも松井さんのこだわり。現在使用する昭和産業の業務用パン用粉『カイノス』『パン用粉B』『もッチーズミックスB-63』は、それぞれ同店のヒット商品を支える要となっているのです。

GOLDリッチメロンパン、もちもち
米粉をブレンドした『カイノス』を使った「GOLDリッチメロンパン」(手前、156円)と、『パン用粉B』を使った、「もちもち」(きなこ、シナモン各140円)。一見シンプルだが、香り、食感の良さ、今まで出会ったことのない味わいに驚くはず。

「前よりおいしくなったね」というお客様の言葉がうれしい

オリジナル商品の開発だけでなく、既存の商品も"さらにおいしくするため"改良を重ねてきました。『カイノス』を使った「GOLDリッチメロンパン」もその一つ。

「この生地は牛乳や卵を加えて仕込むため、食感が硬くなりがち。『カイノス』を使ったことでその課題がカバーでき、ミルキーで卵やバターの風味が伝わるリッチなテイストのメロンパンに仕上げることができました。"GOLD"というネーミングもワンランク上のイメージで考えました」

ひとくち食べると、外側はさっくり、中はふんわり、そして米粉ならではのもちもちとした食感。焼きたてのおいしさが持続し、時間が経ってもパサつかないのが特徴です。

「メロンパンは、私が生まれる前からの定番商品。今までも小麦粉の配合や油脂、砂糖など副材料のレシピも見直しつつマイナーチェンジを図ってきました。米粉を配合した『カイノス』に変えてから約2年になりますが、お客様からは"前よりもおいしくなった"と喜んでいただいています」と松井社長。以前の商品と比べ、売れ数も1.2~1.5倍にアップしたそうです。

ベーカリーにとって、定番商品の原材料をガラリと変えることは冒険でもあります。そこにチャレンジできたのは、「長年のお付き合いがあり、他にはない製品や私たちが"使いたい"と思う製品を提案してくれる昭和産業さんへの信頼感も大きかった」と、松井さんは話します。

GOLDリッチメロンパン
「GOLDリッチメロンパン」は、創業当時からあるメロンパンを何度もブラッシュアップして生み出したヒット商品。2016年から使い始めた昭和産業の米粉をブレンドした『カイノス』は、もっちりとした食感と時間が経ってもおいしさが持続するなどのメリットがある。

素材とパン生地の一体感にこだわり

また、ベーグル生地を揚げドーナツに仕上げた「もちもち」や、磯部揚げ風の「磯べっち~」も昭和産業のパン用粉を使った人気商品。

『パン用粉B』を使った「もちもち」は、湯種製法で作ったベーグル生地を揚げて、きなことシナモンをたっぷりとまぶしています。しっかりとした噛みごたえのあるベーグルとは違い、食べたときにふんわりと柔らかくお餅のようにしっとりしているのが魅力です。

個性的な食感の秘密は『パン用粉B』の特性にあるそう。「この粉はもちもち感があり吸水性があるため、加水率の高いしっとりした生地にすることができます。水分が多いのに生地がダレないので、作業性にも優れています」と松井さん。

「磯べっち~」は、ちくわの中にチーズを詰め、『もッチーズミックスB-63』を使ったパン生地に青海苔を混ぜ、天ぷら衣のようにまとわせて揚げたもの。"ちくわをパンに入れる"といった面白さだけでなく、ベーカリーの商品としての完成度を高めるため、パン生地と具材の一体感にもこだわっています。

『もッチーズミックスB-63』は、以前「ポンデケージョ」に使っていた製品。ふわっとした軽やかな食感とチーズとの相性の良さから「この商品に合うのではないか」と思いついたそう。その発想が見事にヒットしました。

「どの商品も"これで完成"と満足するのではなく、進化の余地を探して常にブラッシュアップを心がけています」という松井さん。おいしさを追求する思いに、昭和産業の製品は欠かせないパートナーとなっているようです。

磯べっち~
見た目はまさに"磯辺揚げ"そのものの「磯べっち~」(162円)も、松井社長のアイデアから生まれた人気商品。ちくわにチーズを詰め、青海苔を混ぜ込んで天ぷら衣に見立てた『もッチーズミックスB-63』で包んで揚げている。

コラム

三代目社長 松井成和さん

ここに来るとワクワクする! そんなお店を目指しています

「来るたびにワクワクしたり驚きがあったり。お客様には、そんな楽しい気持ちでうちの店にいらしていただきたいと思っています」と話す三代目社長の松井成和さん。祖父の代から受け継いだ商品をお客様の志向の変化に合わせてブラッシュアップしたり、柔軟な発想で新たなヒット商品を生み出すなど、持ち前の探究心で人気店を支えています。店内のパンが少なくなると、タイミングを見計らって次々と焼きたて、揚げたての商品が補充されていくため厨房内は大忙し。常に"出来立てのおいしい状態で"購入できるようにしていることも同店のモットーです。レジに並んでいる間に新しいパンが焼きあがったら、お客様がトレーに入れているものと交換するといった気遣いも喜ばれています。お客様に愛される理由は、そんな細やかなサービスにもあるのです。

※ 記事中の価格などの情報は取材時のものです。

このお店で使っているのは?

カイノス

『カイノス』

米粉を配合することにより、吸水性が高くしっとりソフトな食感を実現。レーズンパンなどパサつきやすい商品のほか、形状が安定するため食パン、カレーパンなどにも適している。

『カイノス』の詳細はこちら

店舗 DATA

店舗外観
店名 トーホーベーカリー
住所 東京都三鷹市下連雀1-9-19
電話 0422-43-6311
営業時間 7:00~19:00
定休日 日曜・祝日・第3月曜
ホームページ

http://toho-bakery.co.jp/

客単価 平日900円~950円、土曜1,200円~1,300円
1日の来店数 700人~1,000人

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