穀物の種類と特徴

小麦

小麦

世界で最も多く栽培されている穀物。小麦は表皮がとても硬く、内側の部分が柔らかくてもろいため、米のように簡単に表皮を外して粒のまま食べることができません。そのため、粉状にして小麦粉として利用する食べ方が定着したといわれています。小麦粉は、たんぱく質(グルテン)の質と量によって薄力粉、中力粉、強力粉に分類され、薄力粉は天ぷらやお菓子、中力粉はうどん、強力粉はパンなどに使用されます。小麦粉の主成分は糖質、たんぱく質ですが小麦の表皮や胚芽には、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、食物繊維が豊富に含まれています。

トウモロコシ

トウモロコシ

食用として一般的なスイートコーン(甘味種)のほか、デントコーン(馬歯種)やポップコーン(爆裂種)、フラワーコーン、ワキシーコーンなどがあり、デントコーンは主にでん粉(コーンスターチ)やバイオエタノールの原料として使用されています。主成分は炭水化物ですが、食物繊維、ビタミン、ミネラルも豊富。トウモロコシの胚芽を原料としたコーン油には、抗酸化ビタミンの1つであるビタミンEが含まれています。

米

日本人の主食。「ごはん」として食べられるうるち米のほか、お餅や赤飯などに用いられるもち米、日本酒の原料となる酒米などがあります。米には炭水化物、たんぱく質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分、食物繊維など様々な栄養素が含まれており、玄米を精米する際に出る米ぬかを原料としたこめ油には、ビタミンEやγ-オリザノールが豊富に含まれています。

大麦

大麦

世界最古の穀物の一つ。イネ科の植物で、実のなる穂の形によって二条種(ビールの原料)、六条種(麦飯、麦茶などに使う)に分類されます。大麦は食物繊維を多く含み、その含有量は白米の約15倍。水溶性と不溶性の食物繊維がバランス良く含まれており、水溶性食物繊維の一種「β-グルカン」には血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を低下させる作用があるといわれています。

そば

そば

日本では、粉状にしたそば粉を麺やそばがきにして食すことが一般的。必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質が豊富に含まれており、ビタミンB群のビタミン類も豊富。毛細血管を強くし、血圧降下作用があるルチンを含んでいます。栄養成分が溶け出した、そばのゆで汁をそば湯として飲むのもおすすめです。

大豆

大豆

日本では、味噌やしょうゆ、豆腐や納豆などの原料として古くから親しまれてきた食材の一つ。色(黄、黒、青)や粒の大きさが異なる様々な種類があります。大豆は人間の体内で生成できない必須アミノ酸をバランス良く含み、良質なたんぱく質の源となる穀物なのです。たんぱく質は私たちの体内で筋肉強化、成長促進のほか、肝機能の向上や疲労回復など多くの働きを担っています。大豆に含まれる油分は大豆油として、油を搾り取ったあとの大豆粕は飼料用原料やしょうゆの原料などとして有効活用されています。

小豆

小豆

赤い色が"邪気を祓う"とされ、神事や祝い事に食されてきた小豆は薬膳食材としても有名で、整腸作用のほか血糖値の上昇抑制、血中コレステロール濃度の低下などの生理機能がある食物繊維をごぼうの約2倍も含みます。また、血圧を調整する働きがあるカリウム、抗酸化作用があるポリフェノールやサポニンなど、生活習慣病の予防につながる働きのある栄養成分を豊富に含んでいます。日本ではあんこや赤飯、お汁粉などで古くから親しまれてきた食材です。

菜種

菜種

菜の花(アブラナ)の種子のことで、油の原料として日本で最も古くから利用されてきたといわれています。現在も菜種油は国内で多く消費されている油脂で、クセがなく使いやすいため、幅広い用途に利用されています。菜種油はオレイン酸を多く含むため酸化しにくく加熱に強いのが特徴。またオレイン酸には動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを増やさない働きがあります。ほかに出血した時に血液を固める働きがあるビタミンKが含まれていることで知られています。ビタミンKは骨の健康維持にも不可欠な栄養素です。
スーパーマーケットなどでよく目にするキャノーラ油は従来の菜種を品種改良したキャノーラ種を原料とした油で、カナダで多く生産されています。

ごま

ごま

種子の外皮の色によって、白・黒・金の大きく3種類に分けられています。中国では"食べる丸薬"と呼ばれるほど栄養価が高いのが特徴。成分の半分以上が脂質で、油の原料として利用され、リノール酸とオレイン酸を多く含んでいます。脂質に次いでたんぱく質、食物繊維の含有量も多く、ごま特有の成分で強い抗酸化作用をもつゴマリグナン(セサミンなど)を含むことが知られています。

ひまわり

ひまわり

ひまわりの種子は炒って食べるほか、脂質が豊富なことから油の原料として利用されています。食用のひまわり油は、原料となるひまわり種子の違いにより高オレイン酸(ハイオレイック)のもの、中オレイン酸(ミッドオレイック)のもの、および高リノール酸(ハイリノール)のものに区別されています。オレイン酸が豊富なハイオレイックひまわり油は、油臭さが少なく、さっぱりとしていて酸化しにくい特徴があることから、広く利用されています。